
耳の症状
耳の症状
外耳炎とは、鼓膜より外側の耳の中の皮膚に起こる炎症のことです。原因の多くは耳かきや指のつめなどでの引っ掻きや入浴やプールなどの水が残ることなどです。
症状は、耳の痛み、かゆみ、ヒリヒリ感、耳だれなどです。ひどく腫れると聞こえが悪くなったり、耳閉感や耳鳴りを伴うだけでなく、ひどい頭痛にまで悪化することがあります。
治療は外耳道の処置や軟膏の塗布を行います。また点耳療法(耳の中に直接薬を入れる)や鎮痛薬、抗菌薬の内服が必要な場合もあります。真菌(カビ)が繁殖してしまうこともあります。
耳かきや指のつめなどでの引っ掻きが原因の場合は、引っ掻き癖の習慣を止めないと繰り返すことが多いです。
耳垢はあっても基本的には勝手に耳の外へ排出されます。体質によっては排出されにくい人がおり耳垢が詰まってしまう状態(耳垢栓塞)になります。
また耳かきをしていると掃除をしているつもりでも反対に耳の奥に耳垢を詰めてしまって耳垢栓塞の原因となることがあります。耳垢の掃除は耳鼻咽喉科で行うことをお勧めします。
Q.耳垢だけで受診していいですか。
→A.もちろん問題ありません。無理な耳掃除で外耳炎や鼓膜損傷することがあります。また学校検診前に耳垢が溜まっているかのチェックのために受診することも全く問題ありません。
中耳炎とは鼓膜の内側の中耳で炎症を起こす疾患です。鼻やのどから菌やウイルスがはいることが多いです。3才ぐらいまでのお子さんに起こりやすく、鼻の奥と中耳をつなぐ耳管が短いためと言われています。耳を痛がるだけでなく、耳を気にするだけでも中耳炎の可能性があります。
急性中耳炎の治療では、軽症であれば鼻の治療をメインに行えば治る場合もあります。中等度から重症のケースでは、抗生剤の投与や鼓膜を切開して膿をだす必要がある場合もあります。
中耳に滲出液などが溜まったままになり、耳がつまった感じや難聴が起こります。急性中耳炎から移行する場合や高齢では耳管の機能が悪くなっていることがあります。中年では滲出性中耳炎の原因が咽頭がんであることもあります。
無症状から難聴まで症状は様々で、幼児では気づかないことも少なくありません。「呼びかけても振り向かない」、「テレビの音が大きい」、「鼻の調子がずっと良くない」といったことがあれば、耳鼻咽喉科の受診をお勧めします。
慢性中耳炎とは鼓膜にあいた穴が閉じずに残ってしまい、中耳の炎症が慢性的に続く状態です。耳だれを繰り返すことが最も多い症状です。鼓膜に穴があいていることで中耳にウイルスや細菌が入り込むようになります。
慢性中耳炎では、定期的な耳の処置をおこなう必要性があり、耳だれがあるときは点耳や内服治療を行います。状態によって耳の手術が必要な場合もあります。
突発性難聴はある日突然聞こえが悪くなる疾患です。難聴だけでなくめまいを伴うことがあります。ステロイド剤による治療を中心に行います。多くの方は外来治療できますが糖尿病や胃潰瘍などの病気がある方は総合病院での治療が必要となることもあります。補助的に循環改善剤やビタミン剤を加えることも多いです。
突発性難聴は、できるだけ早く治療を開始したほうが聞こえの回復の可能性が高まるとされています。発症から遅くとも2週間以内(できれば1週間以内)に治療を開始することが重要です。難聴が軽度であれば耳鳴りや耳の聞こえの違和感のみのこともあるため、これらの急な症状は早めに耳鼻咽喉科で検査する必要があります。
加齢とともに進行し、高い音から聴力が悪化する疾患です。40歳を過ぎると誰しも難聴が進行しますが、程度は人それぞれです。糖尿病などの生活習慣病がある場合、健康な人に比べて難聴が進行しやすい傾向があります。
難聴がある程度進行すると補聴器を必要とすることが多いです。特に認知症の原因の最大の危険因子は難聴であることがわかってきています。難聴を予防、治療することで、将来の認知症予防が世界中で試みられています。すでに耳の聞こえが悪いという人にとっても、補聴器などを用いて対策を施せば、認知症を予防したり、進行を遅らせたりすることができる可能性があります。
耳鼻咽喉科を受診する前に補聴器を購入し、結局使わなくなったという方が多数おられます。
補聴器購入の前に耳鼻咽喉科を受診し、補聴器とどう向き合うのが良いのか(購入すべきか否かも含めて)検討してください。
Q.補聴器を買うか買わないか迷っている状態で受診してもいいですか
→A.全く問題ありません。補聴器が必要な難聴か、それ以外の治療可能な難聴かまず診断する必要があります。また補聴器が必要な難聴と判断した場合でも必ずお試し期間を設けるようにすべきで、向いてないと判断した場合は購入を見送るように指導することも多いです。
TOP