
小児耳鼻咽喉科
小児耳鼻咽喉科
インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって引き起こされる病気で飛沫感染(咳やくしゃみ)、接触感染(ウイルスが付着した手で目や鼻、口に触れる)で拡がっていく感染力の高い病気です。何種類かありますが人に感染して問題となりやすいのはA型とB型です。インフルエンザA型は、毎年冬の早い時期、11月から2月にかけて流行のピークを迎えます。感染力が非常に強く、38-40度の高熱が出ることも多いです。
インフルエンザB型は、A型よりも遅れて流行することが多く、感染力はA型ほど強くありませんが、特に子どもや若年層での感染が広がりやすいです。
インフルエンザワクチンは、感染のリスクを軽減すること、感染した場合の重症化防止に有効とされています。
インフルエンザの治療は基本的に対症療法で、安静と十分な水分補給、解熱剤や痛み止めで対応していきます。発症早期(48時間以内)の場合は抗インフルエンザ薬が有効で
タミフル | 内服 | 1日2回を5日間 |
リレンザ | 吸入 | 1日2回を5日間 |
イナビル | 吸入 | 1回吸入のみ |
ゾフルーザ | 内服 | 1回のみ |
があります。
出席停止期間は『発症した後5日経過し、かつ解熱した後2日(幼児にあっては3日)を経過するまで』となります。
上記は学校保健安全法のため社会人の方は、就業規則をご確認ください。
Q.インフルエンザの後、耳が痛くなりました。
→A.インフルエンザにかかると、特に子どもは急性中耳炎をその後引き起こすことがあります。インフルエンザの薬とは違う薬が必要となることもあるため耳鼻咽喉科を受診し鼓膜や中耳の状態を確認するようにしましょう。また中耳炎だけでなく副鼻腔炎も比較的合併しやすいです。
子どもは耳と鼻の奥をつなぐ耳管が短く、水平なため中耳炎になりやすいです。ただし急性中耳炎を特に繰り返しやすい場合、目安として過去6か月のうちに3回以上もしくは1年に4回以上急性中耳炎になることを反復性中耳炎といいます。2歳未満の子や、抗菌薬の効きにくい耐性菌が原因となっている、保育園など集団保育を受けている、兄弟がいる、母乳哺乳をしなかった、家族内に喫煙者がいる、おしゃぶりの使用、などは要因といわれています。
耳の治療や鼻の治療を行いながら、子どもの成長を待つ必要があります。家族内に喫煙者がいる場合、必ず禁煙しましょう。
流行性耳下腺炎は、耳下腺(唾液腺の一部)が腫れるのが特徴的な感染症です。「おたふく風邪」と呼ばれるムンプスウイルスによるウイルス感染症です。耳の下が両側腫れて、3日目ごろがピーク、1週間ほどで治ります。軽い病気に思われがちですが、髄膜炎や脳炎などの致死的な合併症や高度難聴などの重篤な合併症、また不妊の原因にもなることがあります。任意接種ですがワクチンで発症リスクを下げる(2回接種で99%)ことができますので、ワクチン接種をお勧めします。
出席停止期間は「発症後5日を経過し、かつ全身状態が良好になるまで』となります。
子どもの鼻は粘膜が薄いため、鼻血が出やすいです。アレルギーなどで鼻炎があると鼻を触ることが増えるため頻度は増えます。鼻のかみ方が強すぎたり、ティッシュで強く擦ることが原因の一つであることもあります。
鼻血が出た場合は下を向いて、小鼻をしっかり15分つまめば大抵は止まります。
Q.鼻血が出たら上をむく?下をむく?
→A.鼻血が出たら下をむいて小鼻を押さえましょう。上をむくとのどに流れて窒息の原因となることがあります。かつて「上を向く」ように指導されていたこともありますが間違った指導で、おそらく血が垂れて服や部屋が汚れないようにするためであったと考えられます。
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